こんにちは!『まさやんのガジェットラボ』管理人のまさやんです。
前回の【導入編】では、10年モノのジャンクルーターの恐怖から逃れるため、倉庫で眠っていた1円スマホ「arrows We2」をカバンに入れっぱなしの「最強全自動モバイルルーター」に魔改造する計画を発表しました。
サブスマホであるarrows We2で、Wi-Fiテザリングによる通信共有ができること自体は確認済みです。あとはこれを「いかにして自動でON/OFFするか」。 今回は、いよいよゴリゴリのシステム構築を行う【設定編】をお届けします!
1. 過去の遺産「Googleポイント」と、自動化アプリ『Tasker』
「どうやってメイン機から遠隔でONにするか?」 悩んでいた私の脳裏に、ある記憶が蘇りました。以前Pixel 7を使っていた時に、キャンペーンでGoogle Playポイントを大量にもらっていたのです。
「何かガジェット遊びに使えるだろう」と、当時ポイントで購入して放置していた超高機能な自動化アプリ**『Tasker』**。こいつを使えば、テザリングのON/OFF制御ができるんじゃないか? と調査を開始しました。
調べてみると、Taskerを使えば「メイン機(Z Flip5)とサブ機(arrows We2)がBluetoothで接続されたこと」をトリガー(引き金)にして、サブ機側の処理を実行できることが判明。 「これだ!」と確信し、さっそくarrows We2にTaskerをインストールして設定を進めていきました。

2. 突然の要求「Shizukuって何!?」と、生成AIへのSOS
「Bluetoothが繋がったら、Wi-FiテザリングをONにする。よしよし、設定完了!」 意気揚々とテストを実行した瞬間、Taskerから無慈悲なエラーメッセージが吐き出されました。
『WiFi Tether: missing ‘shizuku’ permission』
……ん? しずく? なにそれ? どうやら最近のAndroid 14はセキュリティがガチガチで、Tasker単体ではWi-FiテザリングのON/OFFを勝手に切り替えることができない仕様になっているようです。そして、その制限を突破するために「Shizuku」というアプリを入れろ、とTaskerが要求してきているのです。

全く聞いたこともない謎のアプリ。ここで私は、流行りの「生成AI(Gemini)」に泣きつくことにしました。
「Geminiさん、TaskerがShizukuとかいうのを要求してくるんだけど、これ何?」 するとGeminiから「それはPCレスでシステム権限を貸し出すマニアックなハックツールです。導入を手伝いましょうか?」との頼もしい回答が! ここから、AIと相談しながらのガチなシステム構築が幕を開けました。
3. 美しき「呼び鈴」アーキテクチャの完成
Geminiのサポートを受けながら、スマホ単体の「ワイヤレスデバッグ」機能を使ってShizukuを起動させることに成功。これでTaskerが自由にテザリングを操作できるようになりました。
次に、「妥協なき通信速度(Wi-Fiテザリング限定)」の実現です。 Bluetooth接続を合図にするものの、スマホ同士のBluetoothは「数秒で勝手に切断される」という厄介な仕様があります。しかし、AIと相談して逆にその仕様を利用した「イベント駆動(一瞬の繋がりをトリガーにする)」 ロジックを組みました。
- Z Flip5からBluetooth接続を試みる(一瞬だけ繋がる)
- Taskerがその「着信(呼び鈴)」を検知して、Wi-FiテザリングをON!
- Z Flip5が超高速なWi-Fiを掴んで通信開始。

Bluetoothはすぐ切れますが、一度Wi-Fiテザリングが吹き出せばこっちのもの。見事な「ワンタップ呼び鈴方式」が完成です。
4. バッテリー消費を抑える「OS標準機能」への丸投げ
お次は「利用しなくなったら自動OFF+スリープ」です。 Taskerで「通信がないか監視し続けるタイマー」を組むべきかGeminiに相談したところ、「監視自体がバッテリーを食うので、OSの標準機能に任せるのが正攻法です」との指摘が。
arrows We2に標準搭載されている「アクセスポイントを自動的にオフにする」機能にすべてを委ねました。メイン機がWi-Fiから離脱してしばらく経つと、OSが勝手に省電力でテザリングを遮断してくれます。まさにシステム設計の鉄則ですね。
5. 帰宅時のパケット漏れを防ぐ「Cell Near(基地局検知)」
さらに「帰宅時の『OFFし忘れ』防止」。 家に帰ったのにカバンの中のarrowsのテザリングがONのままだと、裏で無駄にパケットを消費してしまいます。
ここはTaskerの「Cell Near(近くの基地局)」機能を防波堤として採用しました。 スマホが常に通信している「携帯電話の基地局」のIDを読み取るため、GPSと違ってバッテリー消費は実質ゼロ。自宅周辺の基地局エリアに入った瞬間、Taskerが問答無用でテザリングを「強制OFF」にする鉄壁の仕様です。

6. 総仕上げ!ADBコマンドで不要な「内臓」を削ぎ落とす
最後は「テザリング以外の無駄な通信をカット」。 キャリアやメーカー製スマホの宿命として、裏で謎のポータルアプリなどが勝手に通信し、バッテリーを削っていきます。これもGeminiにコマンドを作成してもらい、PCからUSB接続して adb shell pm disable-user コマンドで徹底的に「凍結(無効化)」しました!これでFCNT(メーカー)の裏稼働プロセスも一網打尽です。
7. 【究極の魔法】家を出るだけで「自動起動」するゼロタッチ運用
ここまでで「最強のルーター設定」は完成したのですが、最後の最後でメイン機のGalaxy Z Flip5に搭載された「モードとルーチン」機能を使って、とんでもない魔法をかけました。
- 条件: 自宅のWi-Fiから「切断された時(家を出た時)」
- アクション: arrows We2に「Bluetooth接続」を自動で行う

このルーチンを組んだことで、「ただスマホを持って家を出るだけで、カバンの中のルーターが呼び出されて勝手にWi-Fiを飛ばし始める」という、究極のゼロタッチ・オペレーションが完成してしまいました……!
いかがだったでしょうか。Taskerの無茶振りから始まり、AIとの二人三脚で組み上げたハイブリッド・アーキテクチャ。 次回、最終回の【第3回 検証編】では、この魔改造を施したarrows We2を実際に持ち歩き、どれほどのバッテリーが残るのか?驚愕の実運用データをお届けします!お楽しみに!



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